僕が思う「うまい」歌

人によって曲や歌い手の好みは様々ですが、僕は洋楽の影響を受けたので、日本の音楽でもそのようなものが好きで、歌詞の中身よりもサウンドが気持ち良い方に重きを置くタイプです。

いいなあと思う歌に共通しているのはいい音色で歌っている歌声です。

いい音色とは、いつでも裏声っぽい音色に戻せる、地声で鳴らしていてもふわーんとした余韻を伴っている声です。これは音程の低い方で歌っている時に主に聴くことができます。音程の高い方では頭によく響いた伸びのある地声とも裏声ともつかない音色の声です。

裏声っぽい音色というのは主に鼻の方の響きだと思っています。

声は口から出ていますので、マイクを口の前に当てて話したり歌ったりしますが、鼻は口と直接つながっていますので、口と同時に鼻にも声は響いています。口を開けて鏡を見てみてください。喉の穴の手前に通称「ノドチンコ」と呼ばれる垂れ下がりが見えます。それが付いているところが「軟口蓋」というところになります。ちょっと、医学的な用語でとっつきにくかったかもしれません。ですが、そこがとても大事な場所なのです。

その「軟口蓋」の裏側が、鼻に繋がっている空間です。軟口蓋を上げて口の奥を広げると、口と鼻が大きく繋がって良い響きを鳴らす空間ができあがります。いつもそこを大きくして歌うことが、いい音色を作るポイントになります。

軟口蓋を上げる?ってどうすんの?って思ったら、「あっ!」っと高い声でびっくりしてみてください。そうするとノドチンコの付け根が開いて声が大きく響いていることが体感できると思います。

九ちゃんも秀樹も久保田も絢香もいい声だな〜と思う人は多分無意識でそれをやっているのだと思います。

地声と裏声と混ざった音色の声があるという言い方をされる方もいますが、どの傾向が強いかの差をそのようにいい分けているだけで、話している時はそもそも混ざっている状態で、無意識に使い分けたりしているのだろうと思っています。口と鼻とが連携して、両方の空間がよく鳴っていると「ふわーんとした余韻を伴った声」が出ますよ。

それがいい音色で歌う基本だと思っています。